MC1 貯蓄と投資・投機 MC2 株式 投信 外貨
2022. 5/2
投資信託(投信)は、手軽な資産運用法ですが一般人が利用できる商品は約6,000本もあり選択に困ってしまいます。
運用はお任せですが、「購入手数料」「運用管理費用」他、複数の手数料は間接負担のものもあり不明瞭です。
国内株、国内債券、外国株、外国債券などのアセットクラス比較や、クラス別に「積立投資」と「一括投資」した場合のシミュレーションをしました。
1、投資信託の全体像
➀投資信託市場の総資産額と家計金融資産 ・投信の本数と純資産総額<グラフ1,2>は、個人が売買できる公募投信(株式投信5,818本112兆円、公社債98本13兆円、J-REIT69本11兆円)合計5,985本 総資産額136兆円です。個人では売買できない私募投信は7,374本総資産額105兆円です。公募投信の内訳<グラフ3,4>は、国内株式型投信:1,023本、53兆円 内外資産複合型:1,568本、15兆円 内外株式型:510本、12兆円などが上位を占めています。 (投資信託協会2020.10末 筆者編集)
・家計金融資産<円グラフ5> 日銀2020.9資金循環速報では、6/末残高で1,883兆円、現金貯金1,031兆円、債券26兆円、投信68兆円、株式173兆円、年金153兆円、保険375兆円、その他56兆円です。大半は現金、次に保険、株式、年金、投信の順番です。投信残高の約68兆円は公募投信総額136兆円の約半分にあたります。
<円グラフ5家計金融資産額>
2、投資信託の商品や仕組
➀商品特性等
・商品特性
「地域(国内、海外、内&外)」と「資産の種類(株式、債券、REIT、バランス)」、「インデックス」や「アクティブ」があります。
「債券型」は、公社債投信・株を組み入れてはいけない決まりで安全性は高い商品です。
「上場投信(ETF、J-REIT)」は、2000年に市場に上場する仕組が創設されています。株式市場で自由に売買でき価格は時々刻々変化します。一方同じ商品でも「非上場投信」はファンドに組入れられている株式や債券の資産額から取引終了時に価格を計算します。「純資産総額」をファンドの総口数で割り1口=「基準価格」が決まります。両者の価格差は最小になる様にオペレーションされています。
・運用費用手数料・税金
投信のコストはファンドによってさまざまですが、目安は次の通りです。ネット証券は比較的安価です。
「購入手数料」は、2-3%。
「運用管理費用(信託報酬)」は、保有しているだけで間接的に差し引かれアクティブで年1.5-2% インデックスで年1%以下程度。
「信託財産留保額」は、換金時にかかるファンドもあります。
「売買委託手数料」「監査報酬」は、間接的に信託財産から徴収されます。
「所得税」は、利益に約20%かかります。「分配金」は利益が出ている「普通分配金」には課税されますが、実質利益の出ていない たこの足食い状態の「特別分配金」には課税されません。
・買付けは、金額指定や口数指定、積立(金額指定)、積立NISA(金額指定)など、目的に応じて使い分けます。
➁投資信託の仕組
「販売会社」=販売金融機関(小売店)、「運用会社」=投資信託会社、「信託銀行」=資産の分別保管、と3会社体制になっているのは不正防止の観点からです。
投資地域は国内 海外 国内外、投資対象は 株式、債券、不動産、その他複合です。
<図1投資信託協会資料より>
投資目的
投資したお金の利用目的で商品選びが変わります。
・教育、住宅、老後等の資金・・・中長期でまとまったお金が必要となります。積立や一括投資利用。
・定期的収入が欲しい ・・・旅行、小遣いなど定期的にお金が欲しい。分配金利用。
・余剰資金を運用したい ・・・貯金より有利に増やしたい。積立や一括投資利用。
注意点
・収益は基準価格の上昇でキャピタルゲイン、配当金のインカムゲインとなります。
・リスク対応・・基準価格変動は、景気動向、金利変動、為替変動などで起こりますが、自分のリスク許容度を知っておきましょう。リスクに対しては、積立投資は有効です。
・テーマ型(AI、バイオ、環境等)は株式市場でもてはやされている時は人気がありますが、長期投資には向かないものもあります。
・運用実績、騰落率はあくまでも過去の運用成果で、今後のリスクはこれらを元に予測するしかありません。
・販売会社のアドバイスは、手数料稼ぎ、会社利益向上目的の販売方針などお客様視点ではない場合がありますので、本音はどこかを考えて取引しましょう。購入動機は、約6割の方が「証券会社、銀行に勧められて」ということですので、自分で理解し納得して投資しましょう。
・分配金の考え方 「毎月分配型」で分配金を受け取ると、複利効果が期待できず長期投資の運用効率を下げます。
・組み入れ資産価格変動 純資産額が減少し続けると運用に障害がでますので危険信号です。
4、株式、債券などのアセットクラスの比較 (モーニングスター資料を元に筆者編集)
➀<表1>過去10年の「モーニングスター 資産クラス別リターン」です。毎年の様に、順位が入れ替わり表だけ眺めていても一定の傾向はつかめません。
➁<グラフ1>「資産クラス別の騰落率」から、国内株式、先進国株式、国内債券、先進国債券をピックアップして騰落率をまとめています。債券は安定的ですが、株式はバラツキが大きいことが分かります。
③<散布図1>バラツキ(リスク)とリターンの関係を示します。標準偏差は、リスクの度合を示し、大きいほどバラツキます。クラス別の単純平均リターンは2007~2018年:国内株式1.6%、先進国株式7%、国内債券0.9%、先進国債券0.2%です。先進国株式はバラツキ大でリターン最大、国内株式はバラツキ大でリターンがあまり大きくなく、債券は国内・海外ともにバラツキとリターンが小さい結果となりました。あくまでも単純平均なので、実際の積立運用や一括運用など投資方法で変わります。一般的には、「外国株は高リスク高リターン」「外国債券、バランス、国内株は中リスク中リターン」「国内債券は低リスク低リターン」と言われています。
④<グラフ2 表2 毎年積立>「国内株式」「先進国株式」「国内債券」「先進国債券」「4種均等投資」それぞれを毎年100万円づつ積み立てたとして試算しています。 先進国株式>国内株式>均等投資
⑤一括で投資
2006~2018年<グラフ3 表3 初年度一括投資> 先進国株式>均等投資 >国内債券
2012~2018年<グラフ4 表4 中間一括投資> 国内株式 >先進国株式>均等投資
長期投資の場合、市場価格がずっと値上がりするのが分かっていれば一括投資が有利ですが、実際の市場価格は必ず上下しますので積立投資でリスク回避が可能です。
<表1 モーニングスター 資産クラス別リターン 円換算 無し>
<グラフ1騰落率>
<散布図1 標準偏差と騰落率>
<グラフ2 毎年積立>
<表2 毎年積立>
<グラフ3 初年度一括投資>
<表3 初年度一括投資>
<グラフ4中間一括投資>
<表4中間一括投資>
5、まとめ
個人が投資できる投資信託は約6,000本もあり選択に困ると思います。投資したお金の利用目的で商品選びが変わりますので、投信のリスクや利益のバラツキ、コストなどの商品特性を知って賢く運用したいものです。
アセットクラス別に「積立投資」と「一括投資」した場合のシュミレーション結果では、長期投資の場合、市場価格がずっと値上がりするのが分かっていれば一括投資が有利ですが、実際の市場価格は必ず上下しますので積立投資でリスク回避が可能です。国内株、国内債券、外国株、外国債券でどんな商品がいいのかを考えるヒントにしていただければと思います。
<MC1> 投資の基本 2021.12/10
ファンダメンタル解析とテクニカル解析
解析法は大きく分けて2種類、企業の経営状態をROE、PBRなどの指標で解析し投資するファンダメンタル解析、とチャートのながれを、日足、週足を参考にして解析し投資するテクニカル解析です。
下図は「日経225連動上場信託」の株価の推移を10年、3年、1年、6ヶ月の期間のチャートで示しています。短期、長期なりにそれぞれの期間で上下に振れている様子が分ると思います。株の価格にはそれぞれの期間内でも大きな波、小さな波がありますので、上がった部分で取る、下がった部分で場合によっては、「空売り」を利用して取る ことでそれぞれの期間で利益を出す事ができます。
<日経225連動上場信託 SBI証券より>
10年 月足
3年 週足
12/4 貯蓄と投資、投機
お金を貯める方法は「自分がはたらいて稼いだお金(労働所得)を貯める」又は、「お金自身に働いてもらい貯めるスピードをあげる」のどちらかではないでしょうか。
お金は手元にあればあるほど安心しますし、生きている限り色々なことに活用できますが、死んでしまえば、残された家族や遺族には役立つこともありますが、本人には役に立ちません。
お金を増やすことは、本来は何かに使う為の手段であるはずなのですが、人間の欲は無限大に膨張していき、お金を増やす事が目的と化す場合も多くあり、本末転倒かもしれません。
お金を増やすノウハウ本や、セミナーなどがたくさんありますが、どれだけ本質を捉えているのでしょうか。経済は人間が創り出した仕組で、思わぬ動きをし、なかなか一筋縄ではいきません。特に為替や株価は将来どう動くかは分りませんし、「必ず動きが分る」「絶対に儲かる」うまい話など、ないと言っていいと思います。
お金を増やす方法には、貯蓄~投資~投機~ギャンブル などがありますがどの手段でお金を増やすのかは、自分で判断するしかありません。
<MC1> 投資の基本 2021.11/30
貯蓄 まずは、非課税枠を利用することを考えましょう。貯金は、金融機関が倒産しても元本保証されるペイオフの範囲なら安心ですが、知らない内に物価上昇で価値が減ることも可能性としてはあります。
非課税や優遇措置のある貯蓄、投資は
財形住宅貯蓄・・住宅
財形年金貯蓄、個人型確定拠出年金・・老後資金貯蓄
NISA・・投資、貯蓄、贈与
次に利用するのは、一般の課税対象の貯蓄で、定期預金・貯金 普通預金・貯金
仕組預金 などで、5年以内に支出予定のあるものは貯蓄にしておきます。
投資と投機
「投資」は、「配当が目的」 定期的に収入となるインカムゲインである事。
「投機」は、「値上がり益が目的」 キャピタルゲインである事。
と定義する説もありますが、語源から意味を考えてみます。
投資=investment や invest
vest はチョッキ、衣服のこと。権限を授ける。資本や経営者に地位をさずける。経営者がちゃんと働いているかチェックする。経営者へ委託するという意味になります。
投機= venture や gamble やspeculation
venture:投機的事業、冒険的事業、投機 思い切ってやる 事業の機会や儲けるチャンスが来る
ven :to come 来る、adventure危険を冒す。大胆に試みる。
adventは出現するという意味で、キリストの降臨 神が天から来る。
speculate :あれこれ思索、沈思、推測。株、土地を投機。
貯蓄と投資は、通常「運用」というお金を増やす行為になりますが、投機は勘や運で将来を予想し、株や為替にお金を動かすことをいいます。この判断基準からは、「宝くじ」も投機の一種といえるかもしれません。
投資と投機の考え方は紙一重の関係にあるみたいです。ことばの意味はどっちでもよく、お金が増えればそれでいい・・が本音かもしれません。
<MC1> 投資の基本 2021.11/12
どの方法でどれ位のお金を投資するかを考えます。
貯蓄なのか株なのか投資信託なのかな、どういう手段を使いたいか、自分の年齢や自分をとりまく様々な状況や、これからどの程度の資金をできるか?を考えて投資配分や対象を決めていきます。
アセット・アロケーション とアセット・ロケーション
アセット・アロケーションとは、投資の基本的な考え方の一つで、運用リスクをへらし、効率的なリターンを目指して、投資資金を複数の異なった資産(アセット)に配分(アロケーション)運用することで、株式、債券、定期預金などの比率を決めることをいいます。
アセット・ロケーションは、「資産の置き場所」を意味し、具体的な口座の種別、即ちどこの口座で運用するか・・税制、手数料、利便性を考えて決めます。その他、資産の投資先の国や地域を指す場合もあります。
利回りと目標
人口が増えればそれだけ経済規模は増えますので、世界的には継続して成長していると考えられます。資産運用の投資利益率の目標は最低でも2-3%レベルと考えましょう。目標は高い方がいいかもしれませんが投資利益率20%や30%を達成するには、かなり特別な取引をする必要があります。
現在、世界経済は平均3-4%で成長しています。投資利益 1-1.5%の達成はやさしく 2-2.5%で一般的レベル、GPIFの目標は4%程度ですが、達成はやや厳しいと考えられます。運用成果の8割は最初で決まるとも言われています。
時間を味方にする
ライフプランを考えて長期で資金をつくることが個人投資家には向いているかもしれません。投資にまわす資金は、5年以内に使う金は投資しない。6年以上使う予定のないお金は投資を考える。リスクを許容できることが投資の鉄則です。11/18 投資信託「インデックス型」と「アクティブ型」の違い、購入は「ドルコスト平均法」で毎月積み立て購入
インデックス型
国内株なら日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)が「ベンチマーク(運用指標)」として一般的で手数料も比較的安価なものが多いです。アクティブの反対という意味で「パッシブ(受動的)型」と呼ばれることもあります。世界の市場をベンチマークにした商品も数多くあります。
アクティブ型
プロが銘柄を選び運用しますので、ファンドマネージャーの手間がかかるので、一般に手数料が高くなります。運用成績はインデックス型に比べ良好なものが多いですが、必ずしも市場平均より利回りが良い商品ばかりではありません。
過去の運用実績をみてみますと、手数料を差し引いた実質利回りでアクティブ型がインデックス型を下回ることもしばしばあります。
ドルコスト平均法
投資信託で代表的な手法の「ドルコスト平均法」は毎月コツコツと一定額ずつ購入する手法で、価格が高い時は少量を、価格が安い時は多量を買うことで自然に平均購入価格が下がることになります。いわゆる「時間の分散」を活用する手法です。
0 件のコメント:
コメントを投稿